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VELIQ FINANCE お金を、数字で学ぶ
VELIQ FINANCE RESEARCH 01

取り崩し成功率の研究——
「4%ルール」を日本の前提で計算し直す

米国の経験則「4%ルール」は、日本の投資家の保守的な前提でも成り立つのか。当サイトのモンテカルロエンジンで60万本のシナリオ(60条件×10,000試行)を生成し、取り崩し率×期間×資産配分の成功率マトリクスを作成しました。前提・手法・乱数シードまで公開した、再現可能な独自試算です。

Veliq Finance編集部 独自試算|手法・前提は文末に明記|初出 2026年7月
72.1%
「4%×30年」の成功率(株式60%)。原典の9割超に対し、保守的前提では7割前後に沈む
84.8%
取り崩しを3.5%に落とすだけで成功率は85%へ回復する
60万本
生成したシナリオ数(3配分×5取り崩し率×4期間×10,000試行)

成功率マトリクス(定額取り崩し・名目)

取り崩し率\期間20年25年30年35年
3.0%95.2%90.1%82.8%78.5%
3.5%91.7%83.7%76.0%69.3%
4.0%87.4%76.6%67.7%60.4%
4.5%80.9%68.5%59.0%51.5%
5.0%74.9%60.3%50.4%42.3%

A. 株式100%(期待リターン5%・リスク18%)。金色=成功率90%以上、赤茶=70%未満。成功率=期間終了時に資産が残っていたシナリオの割合(各セル10,000試行)。

取り崩し率\期間20年25年30年35年
3.0%99.7%97.5%93.1%87.2%
3.5%98.7%93.2%84.8%74.7%
4.0%96.0%85.6%72.1%60.1%
4.5%91.1%75.4%58.3%44.8%
5.0%83.5%61.4%45.0%31.8%

B. 株式60%+安全資産40%(期待リターン3.4%・リスク10.8%)。金色=成功率90%以上、赤茶=70%未満。成功率=期間終了時に資産が残っていたシナリオの割合(各セル10,000試行)。

取り崩し率\期間20年25年30年35年
3.0%100.0%99.7%97.7%91.5%
3.5%99.9%97.5%89.1%76.7%
4.0%99.1%91.5%74.0%53.6%
4.5%96.5%77.2%52.1%33.0%
5.0%88.6%58.6%31.3%16.8%

C. 株式40%+安全資産60%(期待リターン2.6%・リスク7.2%)。金色=成功率90%以上、赤茶=70%未満。成功率=期間終了時に資産が残っていたシナリオの割合(各セル10,000試行)。

01

平均の計算は嘘をつかないが、答えも言わない。「年5%平均なら4%取り崩しは減らない」という算数に反し、確率で見ると30年成功率は67.7%(株式100%)。平均リターンの一本道計算と確率評価の差そのものが、収益率配列リスクの大きさです。

02

0.5%の減額は、どんな商品選びより効く。4.0%→3.5%への変更だけで、株式60%・30年の成功率は72.1%→84.8%へ12.7ポイント改善。月換算では3,000万円につき約1.3万円の我慢です。

03

「安全資産を増やせば安心」は、条件付きでしか正しくない。取り崩し率3%なら株式40%が最も安全(30年97.7%)。しかし5%では逆転し、株式40%は31.3%まで崩壊します(株式100%は50.4%)。低い取り崩し率では低リスクが勝ち、高い取り崩し率ではリターン不足が先に致命傷になる——配分の正解は取り崩し率が決めます。

04

実務への翻訳:30年計画なら「3.5%+株式50〜60%」が成功率85%前後の現実的な均衡点。90%超を求めるなら3%へ。ご自身の金額・年齢ではモンテカルロ・シミュレーターで同じエンジンをそのまま使えます。

手法と前提(Methodology)

  • 各年のリターンは正規分布から独立に生成(年次)。株式:期待リターン5%・標準偏差18%(全世界株式の保守的な想定)。安全資産:リターン1%・リスク0%。毎年リバランス。
  • 取り崩しは「初期資産×率」の定額(名目・インフレ調整なし)を年初に控除。税・売買コストは考慮しない。
  • 各条件10,000試行、乱数シード20260712で固定(再現可能)。成功=期間終了時に資産残高が正。

限界(Limitations)

正規分布は暴落の頻度(ファットテール)を過小評価し得ます。インフレ調整をしない定額のため、実質的な生活水準は期間中に低下します。為替・税を含めれば成功率はさらに下がる方向です——本試算は楽観側ではなく、それでも原典より厳しい結果が出ている点が要点です。

この研究の引用方法
Veliq Finance「取り崩し成功率の研究——『4%ルール』を日本の前提で計算し直す」(2026年7月)https://veliq-finance.com/research-torikuzushi.html
表・数値は出典明記のうえ、提案資料・記事・社内資料に自由にお使いください。前提を変えた再計算のご要望はinfo@variorchestra.comへ。

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