年金は、何歳から受け取ると得か。
受給開始を1ヶ月遅らせるごとに年金は0.7%増え、早めるごとに0.4%減ります。増えた月額が「もらい損ねた期間」を取り返すのは何歳か——損益分岐点を計算します。
参考:平均寿命は男性約81歳・女性約87歳。65歳まで生きた人の平均余命はさらに長く、男性約85歳・女性約90歳です。
繰下げの数字は「保険」として読む
損益分岐年齢(65歳受給と累計が並ぶ歳)は、繰下げでは概ね受給開始年齢+約12年に来ます。70歳開始なら82歳前後——平均余命の範囲内です。ただし本質は損得の賭けではなく、長生きした場合に生活水準が下がらないようにする保険だと捉えるのが実務的です。増えた年金は生涯続く終身の底上げであり、長生きリスクへの最も確実な備えになります。
繰下げ前に確認すべき3点
①税・社会保険料——年金額が増えると所得税・住民税・国民健康保険料等も増えるため、手取りベースの増額率は額面(+0.7%/月)より小さくなります。②加給年金——年下の配偶者がいる場合、厚生年金の繰下げ中は加給年金(年約40万円)が受け取れません。基礎年金だけ繰り下げる選択も検討を。③繰上げは不可逆——60〜64歳への繰上げ(−0.4%/月)は一度選ぶと生涯減額のまま戻せません。障害年金が受けられなくなる等の制約もあります。
「繰下げ待機中」の生活費こそ、取り崩しの出番
70歳まで繰り下げる場合、65〜70歳の5年間は年金ゼロで生活することになります。この期間を資産の取り崩しでつなぐ設計が王道です。必要額は「月の生活費×60ヶ月」——上の「取り崩しを計算する」から、お手持ちの資産で何年つなげるかを確認できます。
※ 本シミュレーションは公的年金の増減率(繰下げ+0.7%/月・繰上げ−0.4%/月)に基づく額面の概算です。税・社会保険料・在職老齢年金・加給年金は考慮していません。正確な見込額は「ねんきん定期便」またはねんきんネットでご確認ください。