退職金の平均額と、
手取りを決める控除の数式。
大卒・定年退職の平均は1,896万円——しかし15年で400万円以上減りました。そしてこの一時金には、勤続年数で決まる強力な非課税枠(退職所得控除)があります。平均額のデータと、あなたの手取りを計算するツールをまとめました。
学歴・企業規模でこれだけ違う
| 区分 | 平均退職給付額 |
|---|---|
| 大学・大学院卒(管理・事務・技術職) | 1,896万円 |
| 高校卒(管理・事務・技術職) | 1,682万円 |
| 高校卒(現業職) | 1,183万円 |
| (参考)都内中小企業・大学卒モデル定年 | 約1,092万円 |
上3行:厚労省「令和5年就労条件総合調査」(定年退職者・勤続20年以上かつ45歳以上、一時金+年金現価の計)。中小企業:東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」モデル退職金。
退職金の手取りを計算する
一時金で受け取る場合、勤続年数に応じた退職所得控除(40万円×20年+70万円×超過年数)が引かれ、残りの半分だけが課税されます。
勤続38年なら2,060万円まで税金ゼロ。控除は40万円×20年+70万円×18年=2,060万円。平均的な退職金(1,896万円)は多くの場合、まるごと非課税で受け取れます。控除を超えても課税されるのは超過分の半分だけ——退職金は日本の税制で最も優遇された所得です。
「一時金か、年金受取か」は税金の問題。年金形式は雑所得として公的年金と合算課税される一方、運用を会社に任せたまま受け取れる利点も。控除枠に収まるなら一時金優位のケースが多いですが、iDeCoの受取と重なる人は控除の「使い回しルール」に注意が必要です。
退職金は「老後資金の出口戦略の初期条件」。受け取った一時金を全額すぐ投資するのは典型的な失敗例(高値掴み+リスク耐性未確認)。1〜2年かけた分割投入と、取り崩し計画・年金の繰下げとの統合設計が定石です——教科書第9章がそのまま使えます。
※ 税額計算は2025年時点の退職所得課税(2分の1課税・所得税累進税率+復興特別所得税2.1%+住民税10%)に基づく概算で、勤続5年以下の短期退職手当等の特例、iDeCo等との控除調整は反映していません。出典:厚労省 令和5年就労条件総合調査・国税庁タックスアンサーNo.1420。