CHAPTER 07 / 10 — マネーの教科書
設計する——目標からの逆算
「なんとなく月3万円」を卒業します。目標額と期限から必要月額を逆算し、届かないときの3つの調整レバー、そして年1回のメンテナンス方法まで——計画を「運用できる設計図」に変える章です。
逆算の型:目標額×期限→月額
設計はゴールから引くのが鉄則です。例:老後資金3,000万円を25年後までに・年5%なら、必要月額は約5.1万円。同じ3,000万円でも15年なら約11.3万円——期限が半分だと月額は2倍以上になります。まず「いつまでに・いくら」を言語化し、月額はツールに計算させる。この順番が逆(出せる額から始める)だと、足りるかどうかが最後までわかりません。
届かないときの3つのレバー
逆算した月額が現実に届かないとき、調整レバーは3つ:①期間を延ばす(最も強力。5年延長は月額を3〜4割下げる)②増額設計にする(今は月3万、昇給に合わせ毎年+5%——将来の自分に働いてもらう)③目標を見直す(3,000万が2,500万でも人生は設計できる)。利回りを上げる(=リスクを上げる)は最後の手段であり、原則使いません。
メンテナンスは年1回、10分でいい
計画は作って終わりではありませんが、頻繁に触るほど成績は悪化します(高値掴み・狼狽売りの温床)。年1回、誕生日や年末に10分:①資産総額の確認 ②計画との乖離チェック ③配分が崩れていたら積立側で調整(リバランス)。これだけです。相場ニュースを毎日見る必要は、設計が正しければありません。
CASE — 数字で見る
35歳・目標「65歳までに3,000万円」。年5%なら必要月額は約3.6万円。もし45歳スタートなら約7.3万円——スタートの10年差が、毎月の負担を2倍にします。第4章の「始めない期間が最大のコスト」を、設計側から見た景色です。
よくある誤解
目標額はどう決めればいい?
精密である必要はありません。粗い型:老後の不足額=(希望する月生活費−見込み年金月額)×12ヶ月×30年。年金額は「ねんきん定期便」で確認できます。まず粗く決めて走り出し、年1回の点検で磨けば十分です。
リバランスがよくわかりません。
例えば株式80:現金20と決めたのに、株高で90:10になったら「決めた形に戻す」こと。売って戻すより、積立先を現金側に寄せて自然に戻すのが税金もかからず簡単です。
CHECK — 理解度クイズ(全3問)
ACTION — この章のチェックリスト