CHAPTER 01 / 10 — マネーの教科書
家計の現在地を知る
資産形成の成否は、投資の知識より先に「家計を数字で語れるか」で決まります。この章では、把握すべきたった3つの数字と、最初の武器になる「貯蓄率」の考え方を学びます。
すべては3つの数字から始まる
把握すべきは①手取り(可処分所得)②月の支出③貯蓄率の3つだけです。手取りは額面から税・社会保険料を引いた実際に使えるお金で、会社員なら額面の75〜80%程度。支出は1円単位の家計簿ではなく、直近3ヶ月の銀行・カード明細から「月平均」を掴めば十分です。そして貯蓄率=(手取−支出)÷手取。この1つの比率が、あなたの資産形成のエンジン出力です。
年収より貯蓄率が効く理由
年収1,000万円で貯蓄率5%の世帯(月約6万円)より、年収500万円で貯蓄率20%の世帯(月約7万円)の方が資産形成は速い——これが家計の残酷で希望のある事実です。収入は市場や会社が決めますが、貯蓄率は自分で設計できる。しかも貯蓄率を上げることは「毎月の入金が増える」と「少ない生活費で暮らせる=必要な老後資金が減る」の二重に効きます。
削る順番は「固定費→変動費」
支出削減は我慢比べではなく、順番の問題です。効くのは固定費から:①通信(格安SIMで月5千円級)②保険(掛け捨て以外の見直しで月1〜3万円級)③住居・車④サブスク。固定費は一度削れば努力ゼロで毎月効き続けます。逆に食費や交際費のような変動費の我慢は、続かないうえに生活の満足度を直撃します。
CASE — 数字で見る
手取り28万円・支出23万円の30代会社員。貯蓄率は17.9%(月5万円)。格安SIMと保険見直しで固定費を月1.5万円削減すると、貯蓄率は23.2%(月6.5万円)へ。この差を年5%で20年運用すると、資産の差は約610万円になります。
よくある誤解
家計簿が続きません。細かくつけるべき?
不要です。目的は「月平均の支出」を知ることだけ。銀行とカードの明細を月1回眺めて合計するか、家計簿アプリに口座連携させて自動集計で十分です。1円単位の精度より、続く仕組みを優先してください。
ボーナスは貯蓄率に入れて計算する?
月次の貯蓄率とは分けて考えるのが実務的です。ボーナスは変動が大きいため「全額貯蓄・投資に回す前提で生活は月給で完結させる」のが最も頑健な設計です。
CHECK — 理解度クイズ(全3問)
ACTION — この章のチェックリスト